「本当の自分が分かる心理学」を読んだ感想
「本当の自分」を知ることで人生の目的がわかったり、日々の生活に役立つなら・・・と思って読んでみました。
内容はカウンセリングの実例集で、陥りがちな思考パターンを知ることができました。
「本当の自分が分かる心理学」の内容
心理学というタイトルですが、難しい用語の学術書ではありません。夫婦やパートナーの悩み相談に対するカウンセリングの記録・実例集となっています。
いくつかの心理パターンと具体的なアドバイスが紹介されていて、「なるほど、こういうことだったのか!」と俯瞰できるようになります。
自分に心当たりのある行動パターンがハッキリ理解できた時は、心の深いところからスッキリしました。
例えば「自分は軽視されている」というネガティブな思いがあると、そうと思わせるような他人の行動には「怒り」が沸き上がる・・・とか。
さらにさらに、その後の行動パターンとして、
この怒り(=軽視されたという思い)は、味わいたくないものなので他人にぶつけたりします
本当の自分が分かる心理学より
・・・あるある!報復するかのように軽く扱おうとする心の動き。
本当に恥ずかしい事ですが、そんな大人気ない心理構造を持っていた自分に我ながらあきれました。
ページをめくるたびに「ああ、だから私は・・・だからあの人は、、、」と謎が溶けていくのでした。
自分を変える処方箋
この本では自分を知った後の、処方箋も紹介されています。
自分の場合は、あるあるですが「劣等感」です。対人恐怖であるという劣等感に悩み、それを克服しよう苦しんでいました。
この本では、そういう方向けに
- 劣等感の存在を否定せずに認める
- そう考える必要はないと自分のインナーチャイルド(影子)に伝え続けなさい
とアドバイスしています。
どのように伝えるのか、どの言葉で伝えるのか?これは人によって響く言葉、伝え方が違うので本を参考にしてください。
筆者の場合は、
「ここにいていいんだよ、ここに存在してていいんだよ」
という言葉が響きました。どんだけ自己否定が強いのでしょう・・・劣等感ゆえに自分の存在価値すら否定していたようです。
また伝える方法以外には、仲のいい人や親友と思える人が常に隣にいると思って行動するのがおすすめだそう。
たとえ実在しなくても、ありのままのあなたが素晴らしいと言い続けてくれる人が隣にいるとイメージするだけでも効果があるそうです。
森田療法との違い
私が対人恐怖から立ち直る際に、非常に役立った「森田療法」との違いについて書いておきます。
実際に森田療法を受けたわけではありませんが、本を繰り返し読んでその真髄は確信しているつもりです。
森田療法では自分を知る必要はない、という点が異なります。自己分析も必要ありません。
悩みや不安の原因を探し当てることなく、そのまま受け流して日々の生活に向かう事が大切だとしています。
悩む人が問題にしがちな、
- 劣等感を感じる、
- 視線が気になる、
- きまりが悪い
といった感情は、全く普通であって何も異常ではない。だから変えたりする必要はないという立場です。
個人的には森田療法の方が、時間もかからない上に効果も大きいと感じます。
まとめ
「本当の自分が分かる心理学」を読んだ感想をお伝えしました。自分の思考と行動パターンが分かり、とても興味深かったです。
日本式の森田療法とは大きく異なります。自分を知りたいなら自己分析ですし、悩みから解放されたいなら森田療法が合っていると思います。