対人恐怖が解消できた本を紹介します

2016-07-24

自分の視線が気になって「横を見てはいけない!」という脅迫観念のようなものに囚われ続けて30年くらい。

そんな苦しみから解放されるきっかけになった本をご紹介します。

思考パターンが変わった本

なるほど!と目からウロコが落ちて、これまでの思考パターンが剥がれ落ちた本は、森田正馬著「自覚と悟りへの道」です。

著者は神経質的な症状(対人/視線恐怖、書痙、どもりなど)の精神構造を見抜き、森田療法とよばれる画期的な治療法を生み出した医師です。

上記の本には森田医師と患者さんとの問答記録が収められており、苦しむ患者さんへのアドバイスがそっくりそのまま自分にドンピシャでとても参考になりました。

森田医師が一貫して説いていることは、

対人恐怖や視線恐怖、赤面症や書痙、潔癖症といった症状は「病気ではない」

ということ。

では一体何なのか?

答えを言ってしまうと、誰にでもある事です。

人前で緊張するのは、誰でもよくある普通の事。視線を気にするのも汚れが気になるのもごく自然なこと。

この「緊張」や「気になる」というごく自然な心の反応を否定して、

  • 緊張を和らげよう
  • 緊張してはいけない
  • 堂々と話さなければならない
  • 気にしてはいけない

などとやりくり、または工夫する行為こそが悩みの元であると主張されています。

良かれと思って心や意識を変えようとすると、思うように変えられない現実に悪戦苦闘する日々が始まるのです。

私がそうでしたけど、自己啓発のセミナーを転々としている方は要注意です。何かを学ぶこと、奥義を知ることで安心が得られるのではないのです。

自分の悩みの構造に気づかないまま、どこか外に「安心」を求め続けても見つからないのです。

答えは、心は不安や苦労を抱え込むものなのでそのままで何もしなくていいのだと理解することです。

詳しく知りたい方は、ぜひ手に取って読んでいただきたいです。自覚と悟りへの道の目次は以下の通りです。

1.神経症の正しい理解と治し方
  (1)対人恐怖はこうして治る
  (2)とらわれをなくする方法
  (3)不眠症は簡単に治る
  (4)読書恐怖、書痙、どもり恐怖
  (5)夢の状態に似た神経症
2.自覚と悟りのために
  (1)正しい修養と正しい信仰
  (2)調和と適応の生活
  (3)感情の上手な処理法
  (4)倉田百三氏の体験を中心に
3.あとがき

自覚と悟りへの道より

自覚と悟りへの道を読んで

私の場合、とにかく「視線恐怖症を治さなければ何事も始められない」と思い込んでいました。

病名があるくらいだから病気だと思い込んでいましたし、心療内科に通った時期もありました。

「自分は異常者だから意識を変えて正常にならなければいけない」と思い込んで、熱心に自己啓発系のセミナーやスピリチュアル教室に通って「新しい自分」になろうとしてました。

瞑想、スピリチャル、バシャールや神様系の本を何冊も読みましたけど、視線恐怖であることに何ら変わりはありません。

一向に意識は変わりませんでしたし、劣等感も異常感もそのまま。

どうすれば他人の評価や視線を気にしない、傷つかない人間になれるのか?その答えを探し続けていました。

そんな時に「自覚と悟りへの道」に出会いました。読んでみたら「病気ではありません」とか「ごく当たり前、普通の感情」とか衝撃的なことが書いてあるではないですか!

読み込むにつれて、なるほど、確かに、、、

どうやら緊張するとか、不安になるとか、気になるとか、普通で当たり前のことを異常であると勘違いしたことが原因かも、、、

と気づき始めました。

ただし、この事実が腑に落ちるまでは年単位の時間がかかりました。心の奥深くまで自己否定が染み込んでいたので、染み抜きには時間がかかりました。

この勘違いがなくなったところで、不安や緊張は消えたのか?と聞かれれば、相変わらず自己否定や不安を感じます、と答えます。

でもそこに意識を向け続けることがもうないのです。不安に対して消そうとも思わないし、消えないと悩むこともないのです。

風に吹かれる風鈴のように吹かれるがままで、何の抵抗もありません。当然、やりくりする事もなくなったので、楽といえば楽なのです。

まとめ

対人恐怖で苦しんでいた自分が救われた本をご紹介しました。高額な自己啓発セミナーに行く前に、一読されることをおすすめします。

同じような悩みをお持ちの方は、控えめに言って目からウロコが落ちることと思います。

Posted by ゼロ