対人恐怖が解消できた本を紹介します
「横を見てはいけない!」という脅迫観念のようなものに囚われ続けて30年くらい。そんな思いから解放されるきっかけになった本をご紹介します。
思考パターンが変わった本
なるほど!と目からウロコが落ちて、これまでの思考パターンが剥がれ落ちた本は、森田正馬の「自覚と悟りへの道」です。
著者はご自身の神経質的な症状(対人/視線恐怖、書痙、どもりなど)の精神構造を見抜き、森田療法とよばれる画期的な治療法を生み出した医師です。
ご紹介した本には森田医師と患者さんとの問答記録が収められており、苦しむ患者さんへのアドバイスが的確でとても参考になりました。
森田医師が一貫して説いていることは、
対人恐怖や視線恐怖、赤面症や書痙、潔癖症といった症状は「病気ではない」
ということ。
人前で緊張するのは、よく思われたいという心の自然な反応だし、視線を気にするのも汚れが気になるのもごく自然なことだと。
この「緊張」や「気になる」というごく自然な心の反応を抑え込もうとしたり、
- 緊張を和らげよう
- 緊張してはいけない
- 堂々と話さなければならない
- 気にしてはいけない
などと心の上書きしようと工夫する行為こそが悩みの元であると断言しています。心や意識を変えようとすると悪戦苦闘の日々が始まるのです。
私がそうでしたけど自己啓発のセミナーを転々としている方は要注意です。自分の心の動きに気づかないまま、どこか外に「安心」を求め続けても見つかりません。
答えは、心は不安や苦労を抱え込むものなのでそのままでいいし、悲しみや喜びと共に生きていくのが人生そのものだと理解することです。
詳しく知りたい方は、ぜひ手に取って読んでいただきたいです。自覚と悟りへの道の目次は以下の通りです。
1.神経症の正しい理解と治し方
自覚と悟りへの道より
(1)対人恐怖はこうして治る
(2)とらわれをなくする方法
(3)不眠症は簡単に治る
(4)読書恐怖、書痙、どもり恐怖
(5)夢の状態に似た神経症
2.自覚と悟りのために
(1)正しい修養と正しい信仰
(2)調和と適応の生活
(3)感情の上手な処理法
(4)倉田百三氏の体験を中心に
3.あとがき
自覚と悟りへの道を読んで
私の場合、とにかく「視線恐怖症を治さなければ何事も始められない」と思い込んでいました。心か傷つくことを極端に恐れていました。病気だと思い込んでいましたし、心療内科に通った時期もありました。
「自分は異常者だから意識を変えて正常にならなければいけない」と思い込んで、熱心に自己啓発系のセミナーやスピリチュアル教室に通って「新しい自分」になろうとしてました。
瞑想、スピリチャル、バシャールや神様系の本を何冊も読みましたけど、理解が足りないのか視線恐怖であることに何ら変わりはありません。劣等感も異常感もそのまま。
消そうとすること自体が間違っているのですけど、当時は気づかなかったのです。
そして、どうすれば他人の評価や視線を気にしない、傷つかない人間になれるのか?その答えを探し続けていました。
そんな時に「自覚と悟りへの道」に出会いました。この本には「病気ではありません」とか「ごく当たり前、普通の感情」とか衝撃的なことが書いてあるではないですか!
読み込むにつれて、
どうやら緊張するとか、不安になるとか、気になるとか、普通で当たり前のことを異常であると勘違いしたことが原因らしい・・・
ことに気づき始めました。
ただし、この事実が腑に落ちるまでは年単位の時間がかかりました。心の奥深くまで自己否定が染み込んでいたので、染み抜きには時間がかかりました。
この勘違いがなくなったところで、不安や緊張は消えたのか?と聞かれれば、相変わらず自己否定や不安を感じます、と答えます。
でもそこに意識を向ける必要がないことが分かっているので、もう悩むこともないのです。普通の状態を普通にするための薬なんてないし、自己啓発やスピリチュアルも不要だったのです。
ひと言でいえば「病気だ、異常だと勘違いして焦っていた」だけだったのです。
まとめ
対人恐怖で苦しんでいた自分が救われた本をご紹介しました。高額な自己啓発セミナーに行く前に、一読されることをおすすめします。
同じような悩みをお持ちの方は、控えめに言って目からウロコが落ちることと思います。